胃がんと不健康な食生活の関係において、食品に添加される砂糖は「悪者」である可能性がある一方、塩は健康的とされる習慣を持つ人々の腫瘍リスクを高めるようだ、という疫学研究。
この研究では、不健康な食生活パターンは、加工肉、糖類の多い炭酸飲料、ファストフードの摂取量が多いものとみなされた。一方、健康的な食生活パターンは、野菜や果物の摂取量が多く、ナトリウムの摂取量が少ないことを特徴とした。
研究チームは、ブラジルで行われたこの多施設症例対照研究において、1751 人 (症例 600 人、内視鏡対照 377 人、病院対照 774 人)を対象に、食生活パターンを探索的因子分析によって特定した。反事実モデルに基づく媒介分析を実施し、食生活パターンが胃がん に及ぼす全体的な影響を、飽和脂肪酸、添加糖、総食物繊維、ナトリウム摂取量によって媒介される直接的影響と間接的影響に分解した。
解析の結果、2 つの食生活パターンが特定された。「不健康な食生活パターン」(UDP) と「健康的な食生活パターン」(HDP) は、それぞれ胃がんのリスク増加とリスク減少に関連していた。添加糖は UDP と胃がんの関連性を部分的に媒介したが (媒介率は 7.3 ～ 21.7%)、ナトリウム摂取は HDP と胃がんの関連性の大部分を媒介した (媒介率は 52.4 ～ 100%)。飽和脂肪酸と総食物繊維については、有意な媒介効果は検出されなかった。
「この研究は私の博士論文の一部であり、食事と胃腺がんの関係について新たな視点を提供しています。食事と胃がんに関する文献では添加糖の役割がまだほとんど研究されていないことを強調しており、これは将来の研究に新たな洞察をもたらします」と研究者はコメントしている。